日々これ好日

山や自然、音楽が好き。そんな私は色々な事が起きる日々の中で、好き日を過ごす事を考えています。

マルチな職人さん

とある食堂でランチの行列待ち。すると対面の中華料理店、こちらもなかなか繁盛。絶え間なく入るオーダーに二人の職人さんがひたすら調理する。二人とも僕よりは10歳は年上だな。キッチンの扉が開いているので二人の調理の様が見て取れる。

手前の方は洗い方とチャーハン、麺類担当か。奥の方は定食の一皿か。そんな役割分担は数分の観察でわかる。注文が飛んでくる

。オーダーの復唱は大きな声だ。手前の職人さん、ワンタン麺と聞き即座に茹で鍋にワンタンを投入。、終わるとすぐに途上だったチャーハンの仕上げだ。米が舞う。鉄の玉杓子で押し付けるようにするのがこの人のやり方だろう。数回それを回し、最後に大きく鉄鍋を回すと何とすべての米が宙を舞いその全てが玉杓子の中に収まった。そのまま皿の上に玉杓子を逆さに回して古墳のように盛り上がったチャーハンが出来上がった。

手元を見ずとも体がすべてを覚えている、その技は見事と言うしかない。

おじさんは空いた手で器にスープを取り麺と先程のワンタンを入念な湯切りのあと投入だ。具を無駄なく盛り付けて、さて、これでワンタン麺とチャーハンセットの完成だろう。ここからは見えぬお客様が喉をごくりと鳴らすのがみえる気がする。自分が待つ身なら喉が鳴るばかりか、期待で汗まみれだろう。

見事なり、町中華。神様の中華鍋それ一つですべての勤め人に、学生さんを、満腹にしてくださる。本当に素晴らしいです。

かく言う間に少しこちらの行列も短くなりました。しかし同時に達人の鍋さばきとその音に、こちらの胃もかなりヤバくなってきました。

そう、料理は見て、聞いて、匂う。それだけで食欲が倍増する。皿はそのあと。

順番が来たようです。獰猛な序曲の洗礼は十分浴びました。店は違いますが今度は私も頂く番ですね。マルチな職人さん、すごいワザありがとう。次回はあなたのチャーハンとワンタンメン、間違えなく頂きます。

とある神田の一角にて (2021年12月27日・記)

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自宅の中華鍋とは貫録が違ってました・・

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待った甲斐あり、極上のランチ。下町の味。神田神保町・「天婦羅いもや」にて