日々これ好日

山や自然、音楽が好き。そんな私は色々な事が起きる日々の中で、好き日を過ごす事を考えています。

秋の東北を楽しむ・栗駒山と船形山

秋の東北を楽しむ・栗駒山と船形山

栗駒山

山仲間と、自分の学生時代の友人(在仙台)の3名で紅葉を見に、栗駒山・1626m(宮城県栗原市岩手県一関市)そして翌日は山仲間と二人で船形山・1500m(山形県尾花沢市宮城県色麻町)にこの週末で行ってきました。この2つの200名山はずっと宿題でもありましたが、栗駒山スキーでの登頂を狙っていたのでなかなか機会がなかったのです。

友人の車で「くりこま高原駅」から登山口のいわががみ平へ。その少し下の駐車場で降ろされてシャトルバスでいわかがみ平。この海抜1130mですが、この時点でかなり森林限界に近付いていることが分かります。当日の早朝に太平洋上を通過した台風の影響が残る強風下に栗駒の山頂を目指します。やはり人気の山なのか、多くのパーティ。軽装も多いです。

山頂は強風に耐えかねて、ツェルトを張りました。紅葉はガスに包まれることが多く遠望は利きませんでしたが、やはり見事で、特に下山にとった東栗駒山ルートでは紅葉に彩られた広闊な眺めと沢歩きを含むバリエーションのあるルートを楽しめました。ナナカマドの赤い実がとても秋らしかったです。また海抜1600mにしてハイマツが生えているのには驚きました。ハイマツは森林限界を超えてからお目にかかるもの。南アルプスなら海抜2600m、北アルプスでも海抜2500mあたりからでしかお目に掛かれません。流石東北でも北部の山、森林限界が低い。それに加え火山が多くなだらかな広がりを感じさせる奥羽山脈では、独特な解放感を味わえます。アマチュア無線運用は強風に耐えながら栗駒で430FMで2局のみ。風が強すぎてこれ以上粘れませんでした。東栗駒は430で山仲間とさくっと済ませました。

古川のビジネスホテルで一泊。自分の学生時代の友人を交えての山談義や、彼との学生時代の昔の話もできました。

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●ハイマツ帯が予想よりずっと低い地点から出現した。
●ナナカマドが秋を感じさせてくれる
●東栗駒山へ降りるとガスもはれ風もやんだ。紅葉も盛りで広闊な展望があった
●新湯沢は横切るというよりも沢の中を標高差約30mほど進むことになる。

(山行日2021年10月2日)

 

船形山

翌日はやや南下して船形山へ。ふねのかたち、そう、下界から見ると本当にそんな感じで、すこし突先を挙げた艫をそのシルエットから想起することが出来ます。

登山口として選んだ大瀧キャンプ場。色麻町の岳山林道を選んだのですが、事前のネット情報や役場への問い合わせから道が悪いことはわかっていました。そんなこともあり借りたのは四駆。ただし普通の乗用車です。道が悪いとは、ギャップも多いので確かに車高の低い乗用車ですとボトムを擦るリスクもあり厳しいでしょう。しかし、そこはルートを選べば多くは回避できます。むしろ回避の為に轍のない林道の端にタイヤを載せることも出てくる。その意味で乗用車タイプでも四駆であることは重要に感じました。

こちらは栗駒からは南に位置していることと、標高も100m低いこともあり、紅葉のピークにはまだ早い。しかし、森林限界を超えた個所から登り始める栗駒山に比べて、登り始めから見事なブナの林の中を詰めていく、このアプローチルートには痺れました。地形もやや複雑で、谷地を巻き小尾根に乗ったり、と飽きることのないルートでした。ブナの葉はまだ黄色。オレンジから真っ赤に色ずくのはもう少し先でしょう。前船形山から続く支尾根にとりつくとごく小さな水流の沢床となり、ゴロタを選びながら高度を稼いでいく、体力は絞られますが爽快なルートでもありました。時折ロープもありますがブナ林も消えて灌木帯になると稜線が近い。ハイマツが灌木と笹に交じりだして稜線に出ます。
広い。このおおらかさは東北の山の魅力です。

山頂からは果てしなく広がる県境尾根の眺めを堪能しアマチュア無線運用も430FMで楽しみました。
お陰様ですばらしい秋山でした。

退院してから半年、ようやく季節の移ろいを実感したように思えます。何よりも、昨秋の越後駒に続いて、山の紅葉をこの足でこの目で見ることが出来たのがとても嬉しかったのです。

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●船のシルエットを想像させる船形山
●見事なブナの林を歩くルートは飽きることがなかった
●ブナの縞模様は美しい。そして優しいオーラを放っている
●沢床を登っていくと森林限界を抜けて前船形山が見えてきた
●山頂から南にも、北にも、果てしない奥羽山脈が続く
●ブナの紅葉が傾きかけた秋の日に林の中から浮かび上がった

(山行日2021年10月2日、3日)