日々これ好日

山や自然、音楽が好き。そんな私は色々な事が起きる日々の中で、好き日を過ごす事を考えています。

プレべ ビフォーアフター(塗装剥がし)

ギタリスト、ベーシストの皆さん、やはり好きな楽器の色ってありますよね。

自分は木目が見られるギターが好きなので、その色はナチュラルかサンバーストになります。更に憧れのアーチストが使っているとなるとその嗜好は決まり!です。ギターは弾けずに憧れだけですが、自分はテレキャスターならナチュラルとバタースコッチ(キース・リチャーズ)、赤茶(スティーブ・クロッパー)など。ストラトならナチュラル(ロウエル・ジョージ)、タバコサンバースト(ロン・ウッド)などが好きなギターと色の組み合わせになりますね。

ベースについてはあの音が好きなのでプレシジョンベース(プレべ)になります。ナチュラルのプレべと言えばティム・ボガード、グレッグ・リドリー(ハンブル・パイ)、サンバーストではジェィムス・ジェマーソンやドナルド・ダック・ダンが好きなプレイヤーとして浮かびます。木目が綺麗に全身に出るという意味でやはりナチュラルに軍配です。そんな訳でこれまで持っていたベースギターの色の殆どはナチュラルでわずかにサンバーストでした。

5弦ベースは中古で入手したBladeのジャズベースが思いのほか使いやすいので、それなら、やはりプレべの5弦が欲しいな、と思っていました。なかなかプレべの5弦はないのです。元祖Fenderが出している程度です。ナチュラルはもちろんラインアップにはありません。

では中古の良い奴があれば何であれ手に入れて、塗装を剥がすか。そんな思いで探しているととある店でブラックの5弦のプレべがありました。Fenderアメリカン・スタンダード(アメスタ)です。ネックが気になるのです。最近多いサテン仕上げは苦手です。やはり昔ながらに塗装しておいてほしい。しかも指板はローズウッドよりもメイプルが好み。

手にしてみたらネックは自分の好み通り。音も素晴らしい。プレべの音!とにかく弾きやすくて音も気に入りました。色以外は一目惚れでした。これが自分にとっての最後のベースだな、と思い、手持ちの使用頻度の少ない4弦のプレべとジャズべを下取りに出して、わずかな追加金額でこれをゲットしました。

余りにいい音なので、これで塗装を変更したら音が劣化せぬか?といった懸念があり、しばらく塗装剥がしに出す勇気が湧きませんでした。

綺麗な黒だな。これ、剥がすのか・・・。しかし自分はナチュラル好き。木目フェチ。ならば、予定通りやるか! 

工房選びは慎重に。何軒かメールをしましたが、最終的に群馬県館林市の工房を選びました。事前のメールでの問い合わせでの応対が真摯でわかりやすかったのです。

工房までベースを持ち込み最初の行程を見せてもらいました。ドライヤーで熱を加えながら金属へらで綺麗に黒をはがしますが、最後はサンドぺ-パーとサンダーの出番でした。このベースはアメスタですがボディはなんと3ピース。真っ黒だといくつのピースのボディだとはわかりませんが裸になってわかったわけです。えー、アメスタで3ピースなんですか! ちょっとがっかり。

「いやー、こういのよくあるんですよ。5ピースだって普通にあるんです。最初からソリッド塗装用のギターとサンバーストやナチュラル用はピース数を変えているんですよ」とはご主人。

ええい、でも剥がしました。素っ裸です。「では早めにやりますね」との事。

大まかな工程としては今の色を落としてからクリアを塗るというものです。作業進捗はメールで写真を何度か送っていただきました。思ったよりも早い。約3週間後、さっそく館林に赴きます。そこには木の生地が出てピカピカに光る素晴らしいベースがありました! おお、大変綺麗にフィニッシュしてもらった! 

流石にプロの仕事と感激しました。

仕上げの塗装はポリウレタンとラッカーの2種類が選べましたが、光沢感と固まった表面が好きなので迷うことなくポリウレタンにしてもらいました。ラッカーはラッカーの良さがあると聞きます。これまで使ったことがなくて分からないというべきかもしれません。

一方こちらは最初から分かっていましたが、このベースはアッシュ材のボディーではなくアルダー材でしたので残念ながら木目を楽しむところまでは行きませんでした。貼り合わせた木材の色あいがちがい、少し気になります。しかしこれも個性と思えるようになるでしょう。

さて、クリアの上塗りが固まるまでさらに数か月は養生期間必要とのこと。塗装を変えると音が変わると言いますが、自分レベルではさっぱりわかりませんでした。ただボディの被膜が薄くなったので少し音抜けが良くなったような気がします。(あくまでそんな気がするだけです)数万円と費用はそれなりにかかりますが値段以上の仕事ぶりだと思います。大満足でした。

音の良しあしは自分のレベルではわかりませんが、気に入った色合いになり、愛着がわきました。なんだか楽器を手にして嬉しい気持ちというのは高校生以来です。(ちゃんと練習しろよ!と内なる声が聞えますが)

素晴らしい作業を行って頂いた工房さんには感謝しかありません。嬉しいな、世界でただ一つの、マイ仕様のベースができました。本当にありがとうございました。大切にかつガンガン使わさせていただきます。

(2021年01月07日記)

写真:オリジナルのFender American Standard PB 黒そして色剥離してナチュラルに!

f:id:Gonta7LKF3:20210811162045j:plain f:id:Gonta7LKF3:20210811162108j:plain