日々これ好日

山や自然、音楽が好き。そんな私は色々な事が起きる日々の中で、好き日を過ごす事を考えています。

涙・さようならジムニー JB23

10年間ガンガン使ってきたスズキジムニーJB23(7型)を先日手放しました。1月に脳の手術をしたため、高次脳機能障害の影響を視野に入れ、どうしても危険予知機能の付いた車が必要と考えたのです。JB23には残念ながらその機能は付属ていませんでした。

このジムニーはまだ自分が海外に勤務していたころ、日本への帰国転勤辞令がおりてから、即座に日本の中古車サイトで探し出して、色が一発で気に入ったので速攻で取り押さえておいてもらったものでした。長野県は茅野市の中古車屋においてあったのですが、いきなりカントリーコード33(フランス)で始まる電話がかかってきたのには驚いたといいます。当たり前ですよね。


熱しやすく一気に更に燃焼する自分の性格上、色(ややメタルが入ったフィールドグリーン)が気に入り事故歴なしとなれば、言うことはありません。走行距離も6000kmもありませんでした。グレードは限定車のワイルドウィンド。前オーナーは地元茅野市の女性で通勤用に買ってはみたものの高い車高で女性のお母さまが乗り入れするのに苦労されて、一年間での手放しとなったそうです。寒冷地なので、ワンシーズンのみ使用したスタッドレスも付属していました。Go Ahead しかありませんでした。

もともとBE-PALや山渓などの雑誌を愛読していた自分は結婚して買った初めての車もジムニー(JA71型550㏄インタークーラーターボ付き)でしたが、とんでもなくバンピーでマニュアルシフト、重たいハンドル、80キロを超えると鳴り出す速度警告ブザー(これが子守歌に聞こえてくる)、中央道談合坂下り線ではアクセルべた踏みでガンガン落ちていく速度、と、まぁ大変なクルマでした。が、とても一生懸命が伝わってかわいらしかった。

その後家族が増え、さすがにこれでは、とトヨタRAV4に買い換えました。われながら軟弱な選択でした。やはり本格オフローダーとは全く、まさに異なる乗用車でした。さすがに押しの強いトヨタのセールスマンにうまくやられた、といった感じでした。この時エスクードでも買っていれば私の車ライフはもう少し楽しかったかもしれません。

海外転勤。まず売りに出した8年落ちのRAV4の査定の低さに驚きました。二度と新車など買わないと心に決めました。最初の駐在地ドイツではVWゴルフワゴンを買いました。ゴルフは大衆車ですが、日本車とは全く違う重厚な造りと安定感にさすがドイツとうなりました。次の任地フランスではBMW530 やメルセデスCクラスに乗ることができました。会社の社有車を通勤や私用に使わせてもらっただけのことです。一般的には憧れのBMWメルセデスも、実は私にはあまり感動を与えてくれませんでした。確かにトルク抜群のディーゼルエンジンは素晴らしい加速感でしたが、豪華な内装といい自分の求めている車とは違っていました。むしろやたらとパリ市内で目にする、ジムニーシエラ(軽自動車のジムニーのタイヤハウスを外に出して車幅を広げて1200ccc程度のエンジンを載せている。また、フランスのジムニーシエラは確かプジョーかどこかのディーゼルエンジンを積んでいたと思います。内装はジムニーそのもの)が気になって仕方がありませんでした。いつか帰国すればこれしかない。というワクワク感を常にくれる唯一の車種でした。

当時の日本の軽自動車は550㏄時代から大きく変わり車体安全性や駆動力等はすでに小型自動車と実質上の差がなくなっている、660㏄インタークーラーターボは爆発的な力を持っているという記事を目にします。それでいて年間7千円の税金に代表される維持費の安さ。すでに家族も子供の受験で帰国しており、私はただただジムニーの中古車状況を遠い異国から追っかけていました。

買いたいオーラ全開でお店に行ったものですから中古車店での価格交渉は実質ほとんど成立しませんでしたが、まぁ満足して購入。横浜までの中央高速がデビュー戦でした。660㏄インタークラーターボになってからの軽自動車は初体験でしたがもはや550㏄インタークーラーターボの軽自動車とは別物でした。高速の追い越し車線を120キロ以上で余裕で加速がかけられるし、笹子峠に向けての長い登り坂も終わりがないほどの加速感で、驚きました。しかしながら車重1トンをこのエンジンユニットで押し出すのですから、燃費は厳しい。満タン法での計測ですが 街乗り中心時はよくてリッター当たり9~10キロ、高速で80キロ巡行を心がければリッター当たり13キロ弱の実走行でした、(シフトはAT)

車中泊を兼ねての山、そしてランドナーを最低限にばらして搭載する、テレマークスキー板を室内に入れる、という自分の行動価値観をぴたりと満たしてくれる、もうこれ以上はないパートナーとなりました。可能なら4人乗っても走れる。(さすがに荷物収納スペースは厳しい)これ以上の車はいろんな意味では見当たらないし、これ以上にワクワク感をくれる車はどんなにお金を積んでも出てこない、というのが10年乗ってのゆるぎない確信です。これさえ見ていれば一切ほかの車への興味がわかないのです。

こいつとは自分が海外から帰国してからその時点で残していた日本百名山を踏破するのに遠慮なく酷使しつくして、年間7000キロ走行それが10年。。ひたすら登山とランドナーを車内に載せてのサイクリング、また百名山以外の無数の山々と山スキー(スキーを用いた登山)、ゲレンデスキー、ゴルフなど、そしてわずかながらの日常の買い物、家族旅行、ラーメン・蕎麦行脚に使いました。まさに横浜から東西南北果てしなく主人の思う通り走ってくれました。

下記は今回のジムニーと追いかけた主な百名山、つまり1991年以降に鉄道や夜行バスおよびそれらにレンタカーや友人の車でのアプローチを除いた百名山になります。そしてそれは一日で走った(日帰りもあれば泊りもある))最高距離になります。(多少の漏れはあるかもしれません)

地元横浜を起点に、
山形県西川町(月山(山スキー))、
山形県山形市蔵王山
山形県米沢市西吾妻山山スキー))、
福島県桧枝岐村(燧岳、会津駒ヶ岳(ともに山スキー))、
福島県猪苗代町磐梯山)、
群馬県沼田市皇海山赤城山
新潟県奥只見町(平ケ岳)
新潟県南魚沼市巻機山、越後駒が岳)
新潟県南魚沼郡湯沢町苗場山)、
新潟県妙高市妙高山
新潟県南小谷村(雨飾山)、
長野県小諸市浅間山
長野県長野市高妻山
長野県大町市五龍岳、鹿島槍ケ岳
長野県松本市(焼岳、乗鞍山(山スキー)、美ヶ原(山スキー))、
長野県駒ケ根市 (空木岳
長野県阿智村(恵那山)
長野県木曽町(木曽御嶽山)、
岐阜県高山市(笠ケ岳)、
静岡県静岡市葵区(光岳)、
石川県白山市(加賀白山)、

改めてみてみると、本当に横浜から東西南北に蜘蛛の脚のようにそこら中に脚を伸ばしては絶対の信頼性で家まで戻してくれました。素晴らしい帰巣本能の車でした。しかも雪道での安定性はもう何も言うことはなく、数多の山スキーやスキー場への行程をお尻すら振らずに走破してくれます。更には登山のアプローチに頻出する林道での安定性も素晴らしくどんな荒れた道もギャップもなんら心配をドライバーに頂かせずに走破してしまう、とてつもないクルマ、まさに唯一無二の存在でした。助手席を倒して装着する専用ベッドまで作ったくらいです。

そんなジムニーですが、残念ながら、今回自分自身が頭の病を得ることになり、これ以上の運転は無理だろうと判断して泣く泣く手放しました。正確に言うならば、後継機のジムニー(JB64型)に晴れて乗り換えるきっかけとなったといえます。JB64型の最大の進歩は安全性の向上。スマートアシスト機能といわれる走行ライン逸脱警告や、衝突防止機能などがしっかりと対応されており、これをもってようやく、そこに活路を見出したのです。各種の危険予知機能は自分にとって福音です。

今のジムニー(JB23型7形式)の買取価格はとんでもないものでした。生活車用として背の低い普通の軽自動車(それでもしっかり危険予知機能を備えてかつ四駆)の下取りとしましたが、その新しい生活車への出費は数えるほどでした。しかも自分のジムニーは売却前からすでに群馬の販売店から買い手がついているから絶対に手に入れろ、という厳命?が担当バイヤーに対して下りているという、ちょと信じられない状況でした。

自分のJB64購入予定はまだ具体的ではありませんが確実に購入します。ジムニーなしでの生活は考えられませんので。相変わらず発注後の納車までの納期は1年、新古車が新車より高い、という異常事態は続いているそうですが、そのうちに解消されるでしょう。それまでは新たな生活四駆君と楽しみます。彼には彼の良さがあると思います。

最後に、我儘なオーナーの荒い運転に対して忠実に機械として常に応えてくれたJB23にお礼を言いつつ本校を締めくくります。別れは寂しい。君はこれまで乗ってきた日独の車の中で、最高のクルマでした。ありがとう。

写真 
とうとうとある販売店にお嫁に出てしまったJB23。(なお、しっかり鏡面仕立てのイケてるオリジナルのアルミホイールスタッドレスタイヤにに組み換えて、逆に引き取ってもらう夏タイヤには冴えない純正鉄チン(スタッドレス用に前のオーナーが買っていたもの)を組み替えていたりします。)JB23の面影はしっかりJB64に引き継ぎます。

(2021年4月2日記)

f:id:Gonta7LKF3:20210809221552j:plain

さようならJB23。本当にお世話になった。これまで自分が乗ったすべての車で、キミが最高だった。ありがとう。良き次オーナに巡り合ってください。